ロジクール M570tを愛用しているトラックボールユーザーがMX ERGOをレビューしてみる
私、古くはマイクロソフトのTrackBall Explorerからのトラックボールユーザーです。
まず結論:M570tから乗り換えさせるだけの魅力は感じられない
使ってみた結果、「M570tから乗り換えさせるだけの魅力は感じられない」という結論になりました。
まずMX ERGOそのものについてですが、トラックボールの単体ハードとして相当よく出来てると思います。
「MX」を冠するだけあって各パーツの質感や操作感はやはり高いです。パームレストもラバーコーティングされてて触った感じもいいですし。
それに今使っているキーボードのK780と同じユーティリティ「Logicool Options」が使えます。
そういった点も考えましたが、どうにも乗り換えるだけの魅力は感じませんでした。
感じなかった理由をこれから掘り下げていきます。
それにウリの一つであるFLOWが使えるならまた評価は違ったと思いますが、パソコンが1台しかいので試してません。
良い点と気になった点
まず良い点と気になった点を箇条書きしてみました。
書いてみたら良い点と気になった点が結構表裏の関係だったのも面白い所です。
- 角度が変えられる
- ホイールの回転する感じは気持ちいい
- ユーティリティは「Logicool Options」なので新しいキーボードとの組み合わせならユーティリティ的に使いやすい
- 全体的な質感は高い
- ボールの転がる感じはM570tと全く変わらない(一番大事な点)
- 形やクリック感はM570tと大差ない(ホイールだけ別物)
- 意図せず角度が変わる
- カーソル速度と精度を変えられるメリットが(私には)無い
- M570tと比べ当然高い(価格差は約2倍)
- 充電式
これらのうち、主立った物について説明を加えていきます。
ボールの転がる感じが変わらない
「ボールの転がる感じ」が私の感覚だとM570tと全く変わらなかった事。これが一番乗り換えに至らなかった理由です。
逆にスムーズに動いたら乗り換えていました。
というのもM570tで気になっている点は
- スイッチがすぐ壊れる
- ボールがスムーズに動かなくなる
という2点だからです。
またスムーズに動かなくなる理由にゴミが溜まる事もあるのですが、その点でも残念な所がありました。
ボールを外すための穴が本体底面に空いているのですが、残念な事に小さくなっています。
底面にある鉄の板を外した後、さらに先の細い何かで押し出さないとボールが外せないんです。
トラックボールはボールを支持ずる所へゴミが異様に溜まりますので定期的な掃除が欠かせないんですが、それが面倒になるのは大きなマイナスポイントでした。
ついでに言えばボールのサイズは同じでした。つまりボールの操作感が変わらないという事でもあります。
さわってすぐこの辺りは感じてしまい萎え出してました。
ホイールやスイッチのクリック感
ホイールを回した時のスルスル回る感じは心地いいんです。
ですが私が安いマウスのホイールによくあるカチカチ回る感じに慣れてる事もあり、ちょっと合いませんでした
余談ですがホイールのスクロールは「VX Revolution」に搭載されていた物が至高ですね。もう二度と出ないでしょうけど、あのスクロール感は最高です。機会があれば一度試して欲しいです。
さておき。左右のボタンをクリックした時の感触はしっとりとしたタッチで高級モデルのフィーリングでしたがM570tに近い物を感じます。
クリック感が同じという事は使っているスイッチも同じと思えます。だとすると、M570tの持病でもあるスイッチが壊れやすいって事を想定してしまうんです。
ひどけりゃ1年、持てば3年で壊れました。壊れても困るんで1~2年位のペースで買い換えてます。そう考えるとちょっと高すぎるんですよ。M570tなら2台買えちゃう訳ですから。
この時点でもう使う気は相当失せてます。
本体の角度が変えられる事の善し悪し
本体の角度を0度か20度から選ぶ事ができます。MX ERGOの大きなセールスポイントです。
このギミックは気になってて、欲しがった理由のひとつでもあるんですが、結果としては肩透かしでした。
まず0度の状態。MX ERGOとM570tを正面から取ってみました。
見た目の通り、手を置いた感じも使用感もM570tと大差なかったです。画像からも大体感じ取って頂けるのでは無いかと思います。
逆に背が高い分、手のひらを預けないといけない気分にさせられました。手のひらはマウスに接しない様に持つ癖がある私には気になる点です。
次に20度にした場合です。
こうなると操作感は変わってきます。腕の負荷はかなり軽減されました。
なんですけど20度で使っている時にボール側へ荷重をかけてしまうと「バタン」と0度になってしまう場面が結構ありました。逆もしかりです。
磁石固定ですから「浮いている側に磁石が耐えられる以上の荷重がかかると急に角度が変わる」のは当然かもしれません。
形状的には手を預けさせようとしてるのに、完全に手を預ける事ができない所は結構不快でした。
また触った結果、私の好みはこの中間位だったので角度を0度か20度のどちらかしか選べない事も気になっています。
それに0度ならM570tと同じですから、M570tで角度を付けてやったり持ち方によっては無理なく手首を立てられる事も判明。
なのでこのギミックは不要な事も分かりました。
カーソル速度と精度を変えられる事の善し悪し
ボール脇にあるボタンをクリックするとカーソル速度が遅くなり精度が上がる機能があります。画像の加工などで細かい操作が必要な時向けでしょう。
ただ場所が微妙でした。ここです。
ここ、ボールの動かし方によっては当たるんです。逆に間違えて押す事でストレスになる場面もそこそこあり、私の環境では全くもって不要でした。
でもトラックボールってこういう細かい操作が元々やりやすいデバイスだと思ってるんですけど、この機能必要なんですかね?
その他の点について
ユーティリティ「Logicool Options」について
ユーティリティについてです。
キーの割り当てをするのに必ず入れるのですが、M570tは「Set Point」、MX ERGOは「Logicool Options」を使う事になります。
今使っているキーボードがK780は「Logicool Options」に対応しているのでMX ERGOを使うとユーティリティは一つで済みます。
ですが2つ入れた所で特に支障ないですし、キーの割り当てをするだけですから本当に細かい所でしかないんですけどね。
充電式な事について
これこそ好みですね。
M570tは単三電池1本で最大18ヶ月、MX ERGOは充電式で最大4ヶ月です。
充電池は充電しなきゃいけない事や交換できない事が嫌いで、乾電池で交換できる方が好き、ってだけなんですけどね。
大体使いたいときに限って充電が切れたり、充電するケーブルが見当たらなくなったりするんで。
その辺のトラウマが強いのかもしれません。
終わりに
買って使ってみたおかげで幻想もなくなり、変に「どうしよう」と思い悩む事も無くなりました。
逆にたいした不満も無い事もわかり、M570tを使い続ける事に落ち着いた始末です。
ですが廃盤になった時が困るんで他の機種も考えておくべきなのかもしれません。色々と試していますが、どうにも乗り換えられる物が見つかりません。
今度はエレコムの「M-MT2DRSBK」でも試そうかと考えています。ただエレコムのは何回も失敗してるから悩ましい所ですね。
試したらまたレビューを書いてみたいと思います。
「ロジクール M570tを愛用していたトラックボールユーザーがMX ERGOを1ヶ月以上使った上で再レビューをしてみる」に続きます。