ロジクール M570tを愛用していたトラックボールユーザーがMX ERGOを1ヶ月以上使った上で再レビューをしてみる
本当ならとうの昔に書いてる予定だったんですが、他のことやってたら余裕で1ヶ月過ぎてたという。
前に書いた「ロジクール M570tを愛用しているトラックボールユーザーがMX ERGOをレビューしてみる」からの続きになります。
前はちょっと触っただけで、想像も含めたネガティブな結論に落ち着きました。今回は実際に使い続けて改めて感じたいい点、悪い点をまとめてみたいと思います。
まぁチャタリングは案の定起きてきましたが。
MX ERGOについてのおさらい
まずMX ERGOそのものについてです。
ロジクールには「M570t」という超ベストセラーのトラックボールがあります。そのトラックボールの上位機種として発売されたモデルです。
M570tとは色が違うくらいでほぼ同じ様に見えますが、M570tと比べて
- 価格が倍くらい違う
- 電池式(M570t)と充電式(MX ERGO)
- 本体の角度が変えられる
- 2台のPCを切り替えて使える
- Logiool FLOWテクノロジー(複数台を操作する機能)が使える
- ユーティリティーがLogiOptionsという新しい物になる
- ホイールがティルト可能
- Unifyingに加えBluetoothも使える
という点が機能的に異なる所です。商品の詳細はメーカーサイトでご確認頂くのがよいかもしれません。
「MX」シリーズなのでかなり高機能です。特にLogicool FLOWは中位機から搭載される機能で、レビューを見ると絶賛してる人も多いので相当便利なのでしょう(私は使ってないので分かりませんが)。
実際に使って分かった良い点
まず結論を先にまとめちゃいますが、優位性を感じたのはこの3つでした。
- M570tで感じる様なボールの引っかかり感がない
- ホイールの高さが少し低くて回しやすい
- 本体が大きい分持ちやすく、触った時の質感もいい
次から掘り下げます。
M570tで感じる様なボールの引っかかり感がない
実際使って分かった良い点の最大にしてほぼ最後のポイントかもしません。
M570tで感じる様な「トラックボールとそれを支えるステンレス球が微妙に引っかかる感じ」を一切感じません。
ボールが思った通りにスイスイ動く、というある意味当たり前な事だけでここまで快適に感じるとは思いませんでした。
ボールのサイズはM570tと同じなのでこのボールだけ手に入れるのが一番幸せになれるかも、と思ったりもしました。
この点は最初に触ったとき「変わらない」と判断したのですが、実際に使い続けると別物な事がわかりました。やはり使い続けてみる事は大事ですね。
ホイールの高さが少し低くて回しやすい
M570tのホイールはちょっと背が高いので、指を動かす時には良く当たるんです。
ですがMX ERGOのホイールは背が低いので指を動かしてもそこまで当たらず気になりません。
こういう細かい点は高級機だなぁと思います。
本体が大きい分持ちやすく、触った時の質感もいい
背が低くてプラスチック感丸出しのM570tと比べれば当たり前なんですけどね。
本体も背が高くなった分、手のひらにも沿う形になっています。
そしてラバーコーティングされてるのでさわり心地はしっとりといい感じです。変に手が滑る事もありませんし。
先ほどのホイールの背の高さと同じで、こういう細かい所を積み重ねている所は高級機だなぁと思います。
実際に使って分かった悪い点
こちらも結論から。まぁ案の定とでもいいましょうか。主にこの3つが気になっています。
- 1ヶ月程度の使用でチャタリングが起き始めている
- バッテリーの減り具合が分からない
- カーソルが狙ったところへピタッとこない
- ボールが外しにくい
これも順にいきます。
1ヶ月程度の使用でチャタリングが起き始めている
これはもう少し時間が必要なところでもありますが、既にチャタリングが起き始めています。
特にクリックしてボタンを放した音がしてもクリックし続けてドラッグしてしまう事が増え始めました。
一応、本体を手のひらで覆う様に持ちボタンの一番端っこをクリックすれば大丈夫です。ですが私はボタンの真ん中辺りをクリックするクセがあるので操作の問題かもしれません。
ただM570tでも同じ様な操作で発生しているのでもうトラックボール固有のクセじゃないか、と思うさまにしておきます。
バッテリーの減り具合が分からない
一応Logi Optionsでバッテリーの減り具合が3段階で確認できますし、減ってきたら警告も出てきます。さらに最長10ヶ月も持つことになってます
ですが実際いつまで使えるのか、どの程度持つのかがまったく分かりません。いつバッテリー切れになるかを常に気にしながら使っている感じがあります。
「切れたら充電しないといけない」って事がどうにも性に合わない様です。交換だけですむ乾電池式ならここまで気にならないんですけどね。
カーソルが狙ったところへピタッとこない
ボールを操作中、急に狙ったところへ急にカーソルが合わなくなる様な、動きが変になる事があります。
原因はバッテリー残量低下だったり、ゴミが溜まった等でしたが「カーソルが狙ったところへピタッとこない」という現れ方は地味に辛いです。
動かなかったり、変に飛んだりじゃないんですよ。狙ったところへピタッとこない、という嫌がらせの様な現象には困りました。
主な原因はゴミでした。M570tと比べて体感上ではゴミが溜まりにくいですが、構造上どうしても溜まってしまうのは仕方が無い所です。
掃除すればすぐ直ったのですが、この掃除の話は次のボールの話と関連します。
ボールが外しにくい
M570tは底面すぐにボールを外す穴があり、サイズも大きかったんです。指でもすぐ外せたので掃除はとても楽でした。
ですがMX ERGOは底面の金属プレートを外す作業がまず入ります。さらに穴が非常に小さくなってしまいました。この2つの点が実に不便。
穴のサイズはこれ位違います。ちなみにMX ERGOの穴は実測で直径8mmでした。
掃除しようにもまず鉄の板を外す所から始まるのは仕方ないにしろ、押し出すための棒も用意しておかないといけません。
この直径8mmというサイズが実に微妙で。
身近にある物ではデザインナイフの柄やボールペンは太くてダメでした。色々試した結果、使ってない金属製の耳かきがちょうどいい感じでしたので近くに置いてあります。
という様にボールを外す手間が増えた、のいうのはかなり気になってます。
おわりに
実際に1ヶ月以上使ってみてMX ERGOに感じた点をまとめてみました。
前回は「M570tでいいや」と思っていました。
ですが使い続けた結果、特にボールの引っかかりがないだけでこれだけ快適になると思っていませんでした。
それと全体的な質感の高さから比べればMX ERGOを選ぶ位にはなっています。
ただチャタリングが起きてきた点とボールが外しにくい点は大きな不満点ですね。
チャタリングはM570tの有名な持病で気になっていた所ですし、高級機だからスイッチはいいの使ってると思ってたんですけどね。
それに支点の掃除はトラックボールの必須作業なのにやりにくくしてどうするの?とも思います。
この2つは次モデルで是非改善して欲しい所です。
ちなみにMX ERGOが壊れた時、もう一度買い直すかは悩ましい所です。だって高いんだもの。