前回のロジテック LGB-2BDPU3ESのレビューで「その顛末は次の記事で書きます」と書いた、その顛末になります。
ざっくり言うと、HDDスタンドに繋いだだけでパーティションが吹き飛んで、gdiskというフリーソフトで元通りに戻した、という話です。
前半はLGB-2BDPU3ESを持っている人向けの不具合の話。
後半はスタンド関係なく「パーティションが消えたHDDをどう戻すか」の手順になります。
今まさに困ってる人は後半だけ読んでください。
何が起きたのか
HDDを繋いだだけです。
それだけで、それまで普通に使えていたHDDが読めなくなりました。
問題のHDDはWD30EZRZの3TB。
元々NASで使っていたものを、GPTでフォーマットし直してWindowsで使っていました。
Windowsから見た症状はこんな感じでした。
- エクスプローラーでドライブを開くと「フォーマットする必要があります」と出る
- ディスクの管理では「RAW」と表示される
調べてみると、HDD自体は生きていて、パーティションの情報だけが壊れた状態でした。
中のデータは無傷なのに、Windowsからは読めないディスクに見えている、というやつですね。
これがわかるまでは「HDDが死んだ」と思っていました。
3TBのデータが一瞬で消えた気になるので、心臓に悪いです。
発生した条件
レビューでも書きましたが、私の場合は以下の2つが揃ったときに起きました。
- 同じモデルのHDDを接続する
- 取り付けたHDDの容量がスロットA<スロットBの状態
レビューでは説明が足りなかったのが後者です。
LGB-2BDPU3ESでクローンを作るときは、コピー先のスロットBにスロットAより大きいHDDを入れます。
公式ページにも「コピー先のディスクはコピー元よりも大きな容量のディスクをご用意ください」とあります。
つまりクローンでデータを移行すると、その時点で必ずA<Bの状態になるんです。
厄介なのはその後でして。
同じモデルのHDDで移行すると、この時点で条件が2つとも揃います。
そのままだと、クローンの操作をしていなくても、外付けスタンドとして使っているだけでスロットA側のHDDが読めなくなるんですよ。
なので移行が終わったら、一度HDDを外して位置を入れ替えないといけません。
A<Bの状態を残さない、ということですね。
知っていれば避けられる不具合ですけど、知らなかったので何度かデータを失いました。
私が失ったのは、復旧方法にたどり着く前の分です。
原因は推測です
メーカーから説明があったわけではないので、ここからは推測として読んでください(主観による)。
個人的には、クローンの操作をしていないのに、クローン処理に関連する何かが走ってHDDの情報を叩き壊している印象です。
それに今回のHDDは元NASです。
クイックフォーマットではデータ領域の中身は消えないので、Linux時代の痕跡がディスクに残っていたと思います。
スタンドがそれを誤認して主GPTヘッダーを壊した、という線もありそうです。
ただ、大事なHDDでもう一度やって確かめる勇気はなかったです。
やってはいけないこと
ここが一番大事なところなので先に書きます。
「フォーマットする必要があります」と出ても、フォーマットしないでください。
焦ってるとつい押しちゃうんですよこれが。私は間違えて押しました。
フォーマットまで進むと、復旧の難易度が跳ね上がります。
同じ理由で、この状態のHDDに対して次の操作もやらないでください。
- フォーマット、クイックフォーマット
- chkdsk(修復系のコマンド全般)
- ディスクの管理から「ディスクの初期化」
- とりあえず何か書き込んでみる
パーティションが見えない状態でも、データの本体はディスク上にそのまま残っています。
上に何かを書くと、その残っている本体を潰しにいくことになります。
それと、原因と思われるスタンドに繋いだまま作業しないこと。
私は別のUSBケースに移してから作業しました。
TestDiskで状態を確認する
まずTestDiskというフリーソフトで中身を調べました。
EFI GPTを選んでAnalyseを実行した結果がこちらです。
Disk \\.\PhysicalDrive2 - 3000 GB / 2794 GiB - CHS 364801 255 63
Current partition structure:
Bad GPT partition, invalid signature.
Trying alternate GPT
No FAT, NTFS, ext2, JFS, Reiser, cramfs or XFS marker
1 P MS Reserved 34 32767 32734 [Microsoft reserved partition]
2 P MS Data 32768 5860530175 5860497408 [Basic data partition] [MOVIE_WD30EZRZ]
見るところはこの3つです。
Bad GPT partition, invalid signature.:主GPTヘッダーが壊れているTrying alternate GPT:ディスク末尾のバックアップGPTを読みにいったMOVIE_WD30EZRZ:自分で付けたボリュームラベルが見えている
GPTは、ディスクのどこにどのパーティションがあるかを記録している管理情報です。
ディスクの先頭だけでなく、末尾にもバックアップを持っています。
つまり壊れたのは先頭の主GPTだけで、末尾のバックアップは無事だったということです。
ラベルまで見えているならデータ本体も生きている可能性が高いです。
Quick Searchでは戻せなかった
このままTestDiskで戻すつもりでしたが、これがうまくいきませんでした。
Quick Searchに進むと、出てくるのはLinuxのパーティションだけ。
さっき見えていたGPTのパーティションが出てきません。
おそらくNAS時代の痕跡を拾っているんだと思います。
しかもスキャンが1シリンダーに2〜3秒かかります。
このHDDは364,801シリンダーあるので、計算すると250時間くらい。10日以上です。
さすがに無理なので止めました。
Analyseの時点でパーティション情報は読めていたので、必要なのはバックアップから戻すことだけだったんですよね。
同じようにLinuxしか出てこない、スキャンが終わらないという人は、粘らずgdiskへ進むのがいいと思います。
gdiskでGPTを戻す
gdisk(GPT fdisk)というフリーソフトを使います。
GPT専用のパーティション編集ツールで、壊れた主GPTをバックアップから戻せます。
データを別ドライブに救出するのではなく元の状態に戻すので、避難用の空きドライブがいりません。
3TB分の退避先を用意しなくて済むのは、こういうときありがたいです。
ちなみに無料です。GPLのオープンソースなので、機能制限版で焦らされることもありません。
用意するもの
公式サイトのダウンロードページからWindows版を落として展開するだけです。
- gdisk 1.0.10(私が使ったバージョン。2026年11月時点の公式の最新版)
- 展開先はどこでもいいですが、復旧対象のHDD以外に置くこと
64bit版のWindowsならgdisk64.exeを使います。
私は最初gdisk.exeで起動しようとして怒られました。
始める前に、ディスクの管理で対象のディスク番号を確認してください。
コマンドのPhysicalDrive2の「2」がその番号です。
番号を間違えると関係ないディスクを壊しかねないので、ここは何度でも確認したほうがいいです。
手順
-
コマンドプロンプトを管理者として開き、
gdisk64.exeのあるフォルダへ移動する -
gdiskを起動する(数字は自分のディスク番号に変えてください)
gdisk64.exe \\.\PhysicalDrive2 -
起動時の表示を確認する。
Main header: ERRORでBackup header: OKなら、この手順で戻せる状態ですGPT fdisk (gdisk) version 1.0.10 Caution: invalid main GPT header, but valid backup; regenerating main header from backup! Warning: Invalid CRC on main header data; loaded backup partition table. Main header: ERROR Backup header: OK Main partition table: ERROR Backup partition table: OK GPT: damaged -
どのGPTを使うか聞かれるので
1を入力する。2のCreate blank GPTは選ばないでください1 - Use current GPT 2 - Create blank GPT Your answer: -
rを入力してRecoveryメニューへ進む -
cを入力してバックアップのパーティションテーブルを読み込む。警告が出るのでY -
wを入力して書き込む。確認が出るのでY -
完了のメッセージを確認する
OK; writing new GUID partition table (GPT) to \\.\PhysicalDrive2. Disk synchronization succeeded! The computer should now use the new partition table. The operation has completed successfully.
再起動もしていないのに、エクスプローラーからドライブの中身が見えました。
データは全部無事でした。
wで確定するまでディスクには書き込まれません。
不安になったらqで何も書かずに抜けられるので、落ち着いてやれば大丈夫です。
この手順が使えないとき
Backup header: OKと出ないなら、この手順の対象外です。
バックアップを持っているのはGPTのディスクだけなので、MBRのディスクも同じです。
私はこのパターンを経験していないので、手順は書けません。
無理に進めず、別の復旧方法を調べたほうがいいと思います。
戻った後にやったこと
まずバックアップを取りました。
戻った直後は嬉しくて放置しがちですけど、一度こういう目に遭ったディスクは信用しないほうがいいので。
あとはHDD自体の健康状態も見ておきました。不良セクタはありませんでした。
今回の件はスタンド側の問題であってHDDは無実なんですけど、切り分けはしておきたかったので。
このへんはHDDのC5エラーのときと同じで、数字を見ておくと安心はできます。
そして一番やったのは、同じ条件を二度と作らないことでした。
と言いつつ、結局そのスタンドを使うのをやめたんですけども。
おわりに
前回のレビューの最後に「復旧する方法がわかったので使ってもいいかなーとは思えるようになりました」と書きました。
やめました。
いや、gdiskで戻せるのはわかったんです。実際完全に戻りましたし。
でも「挿し直すたびに今回は大丈夫かなと思う」のがしんどくてですね。
データを預ける機械に対して、そういう気持ちで付き合いたくなかったという次第です。
なので今はHDDケースを2つ買って使っています。
UGREENの50423と、玄人志向のGW3.5AM-SU3G2Pです。
もうオマケ機能はいらない。
まぁ、おかげでGPTの仕組みとgdiskの使い方を覚えられたのは収穫でした。
このソフト、知ってるのと知らないのとでは詰み方が全然違います。
覚えておいて損はないと思いますよ。マジで。
できれば使う機会が来ないほうがいいですけどね。