写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由

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Canon PowerShot ZOOM。

最初に見た時はかなり期待してました。小型で高倍率ズームデジカメってつもりで買ったんですよ。しかもキヤノンだから画質もいいだろうと思い込んで。

ですけど使ってみたらは後から色々と「コレジャナイ」感が出てきまして。その結果、PowerShot ZOOMは手放す事にしました。

今回はなんでそうなったのか、をまとめてみたいと思います。

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Canon PowerShot ZOOM について

まずPowerShotZOOMについてです。

キヤノン Powershoot ZOOMは望遠鏡型デジタルカメラになります。

メーカーのキャッチコピー通りの製品で、「写真と動画が撮影可能な望遠鏡」です。この「望遠鏡」というのがポイントでした。

有効画素数は約1210万画素とそれなりですが、ズームが100mm/400mm/デジタルズームで800mmの3段階と割り切った作りになっています。また操作ボタンも5つしかありません。

本体サイズは10cm×5cm×3cmと成人男性が片手で握って持つにはちょうどいいくらいのサイズ感です。ですが2つ折りのガラケー2台分位のサイズなので、ポケットに入れるとチョット邪魔なのは仕方ないのかも。

本体の大きさはそれなりにありますが、重量は145gとかなり軽く、長時間手に持って目に当てていても重さはそこまでの負担になりませんでした。

またWi-Fiで接続出来ますし三脚穴もあるので、据え置いてスマホからリモート撮影も可能です。

何を考えて購入したのか

単純に旅行先へ持って行くカメラを小型軽量化してまとめたかった、という点につきます。

このとき、主にスマートフォン(iPhone11)で撮影し、たまにRICOH THETA SCで360°撮影して遠くのモノを撮るのにSTYLUS SH-2、という構成でした。

ちなみにSH-2はオリンパス(現OM SYSTEM)のSTYLUSシリーズで高倍率ズームデジカメです。

画素数は1680万画素、撮影モードもオートからマニュアル撮影まであり、超望遠24倍ズームと光学式の5軸手ぶれ補正搭載、Wi-Fiでスマホと接続可能だったりとかなり多機能です。

2015年発売とかなり古いモデルですが、凝った撮影しないなら旧モデルでも支障ありません。

そもそもデジカメの新機種なんてまず出ないし、特に高倍率ズームデジカメなんてニッチな商品は早々出てきませんので調べて行き着いたのがこのモデルでした。

ですが10cm×6cm×4cmあり、ごつくて重さも280gあるのでポケットには入れにくいです。ケースに入れてぶら下げても取り出すのが面倒です。

そこで「もっと小型軽量で手軽に使える高倍率ズームデジカメが欲しい」という事で購入にいたりました。

ちなみにSony CyberShot DSC-WX350という小型軽量なポケットに入るモデルも持っていますが、接写が全くできないのと倍率が物足りない(20倍の500mm相当)為にお蔵入りしています。

これから順番に「コレジャナイ」と思った点を上げていきます。

コレジャナイ点その1:焦点距離

最初ちゃんと調べなかった事もあるのですが「光学で100~400mmにデジタルズーム」だと思い込んでました。それならまだよかったんですよ。

ですがよく見ると「100mmと400mmの切替」という事が分かり、その時点で一度購入を躊躇しています。それでも「どうにかなるだろう」と購入したのですが、実際はどうにもなりませんでした。

撮影距離は1mかつ焦点距離が100mmだと屋内で、人物相手に使うには難しいです。というか望遠鏡なら部屋の中で使わないですからまぁ当然かも。

それと少しでも暗いとISO感度が上がる設定みたいで、かなりノイズが乗りますので屋外用と割り切った方がいいと考えました。

コレジャナイ点その2:画質

では屋外で使ってみるとこんなな感じになりました。光学400mmになります。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-屋外400mm

後ろの葉っぱとか細かい所は潰れています。手ぶれを押さえようと台の上に置いて撮影したものです。

この辺りでもうSH-2の、デジカメの代わりにならないとは思っているのですがそれでも最後と思ってテストすることにしました。

画質の比較テストをしてみた

実際に同じ被写体を撮影し比べた画像を用意してみたいと思います。

今回は100mm、400mm、800mmになる様にそろえて撮影しました。

SH-2はiAUTO(カメラ任せ)で撮影です。どちらも細かく設定を変更イジってはいません(というかPowerShot ZOOMは設定がほとんど無いです)。

撮影したのは神社の屋根の方にある菊花紋です。分かりにくいですがこの写真を撮った位置から赤丸付けたところを狙っています。

ちなみにこの写真はSH-2で25mm相当。iPhoneの×1倍がこれ位です。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-撮影場所

わかりにくいので拡大するとこんな感じの所です。この写真はSH-2の40mm相当から切り抜いています。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-撮影場所拡大

以下のサンプルは全て縮小加工しています。リンク先はExifもそのままにしてある撮って出しのファイルになっています。

100mm相当

まずは100mm相当から。

PoerShot ZOOMの100mmだとこんな感じです。これが標準状態です。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-PSZOOM100mm

次がSH-2です。大体4倍ズームにした位になります。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-SH-2100mm

PowerShot ZOOMにある雲は流れてなくなってるだけです。SH-2だと写らなかった、という事ではありません。

見比べるとぱっと見そこまで大差ないのですが、PowerShot ZOOMの方が明るいのはISO感度が高いためです。それと(補正あるけど)手ぶれしてるんだろうなぁと思います。持ち方からしてしっかり固定できないし。

次に400mm相当です。PowerShot ZOOMの光学ズーム上限になります。

400mm相当

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-PSZOOM400mm

こちらはSH-2です。16倍ズームくらいですね。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-SH-2400mm

見比べるとぱっと見そこまで大差ないのですが、なーんとなくPowerShot ZOOMの方がぼやけてる感じがあります。これも手ぶれなのかなぁ。

800mm相当

最後に800mm相当です。

SH-2は光学24倍なので600mm相当までになります。そこでデジタルズームと大差ないだろう、という事で600mmの写真から800mm相当にトリミングしたもので比較したいと思います。

撮影時にデジタルズームの設定を忘れてたので苦肉の策とも言います。

まずPowerShot ZOOMの方です。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-PSZOOM800mm

これはISO200で撮影されています。これなら「覗いて見えてたモノをそのまま撮った」と言っても良いんじゃないかな、と思います。

次はSH-2です。大体同じくらいになる様にトリミングしました。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-SH-2800mm

こうやって見比べるとそこまでの違いは正直感じられません。

つまり「ちゃんと撮れたときの画質自体はデジカメと大差が無い」のは事実です。ただ先程のアンテナや、これから触れる点が画質のトドメになりました。

コレジャナイ点その2:オートモードの精度

先程のアンテナみたいに細部が潰れていても、こういう特殊な機器だとご愛敬という事で我慢できる事も多いです。

ただISO感度がこれだけ外れると流石にちょっと考えてしまいました。

この写真は800mmのサンプル画像から数秒前にシャッターを切ったものです。光の加減などは何も変わらないのになぜかISO1250になってました。

写真と動画が撮れる望遠鏡 Canon PowerShot ZOOMを手放すことにした理由-PSZOOM800mm-ISO1250

その結果、変なブロックノイズやノッペリと塗ってしまった様な感じになっています。

何度も取り直せばいいだけかもしれませんが、この感じで外れるのが1、2枚に1回近く発生すると流石にキツいです。

コレジャナイ点その3:操作性

これが最後のトドメです。操作性が悪すぎてダメでした。

片手(多分右手)で握って操作をするのですがボタンの配置がよろしくないです。

握り混んだモノを親指で上に押し込むのと、人差し指で下に押し込む場合はどちらが手ぶれしやすいか。またどちらが直感的に操作しやすいか。

これは手の大きさも関係してくると思うのですが、個人的にはこんな配置になっていれば最高でした。

  • 静止画のシャッターボタン:今の電源ボタンの位置
  • 動画の撮影ボタン:今の静止画ボタンの位置
  • ズームボタン:今の位置のまま
  • 電源ボタン:今の動画ボタンの位置
  • メニューボタン:今の位置のまま

またメニュー操作が各種ボタンに割り当てられていますが説明が画面に出るので分からなくなる様な不安はありません。

ですが当たり前なんですけど、情報を確認するモニターが覗いているファインダーの中にしかありません。この「のぞき込みながら片手で操作」をするのがとてもやりにくいんです。

目から多少離れると途端に見にくくなるので常にのぞき込む必要がある事や、メニュー自体の操作性も正直良くありません。

設定自体は頻繁に行いませんが、撮影画像の再生がメニューの中にあるので結果メニュー操作が増えるという問題があります。

それに再生もファインダーの中なのですが、写っていることが確認できるレベルなのがネックで結局パソコンなりに移動して確認しないとよく分からないという結果でした。

どうにもメニュー等の操作性やカメラ単体で撮影以外の事ができない事が私にとってかなりストレスだったみたいです。

クリックできる十字スティックの方が付いても操作性は良かった気はします。

おわりに

こんな3つの理由から「コレジャナイ」が発動し、最終的に手放すこととなりました。

カメラで使うつもりだったのにそこを見誤った自分が悪い、という所です。

ですが望遠鏡として、見えてるモノを記録的に撮りたいだけなら条件はありますがキレイに撮れますし、便利なのも事実です。

それに遠くのモノが大きく、キレイに見えるし見たまま撮れます。そう考えると屋外で子供に使わせると面白いと思います。

私の目的には沿わなかった、というのが買ってから分かったのは財布的に厳しいので今後はもう少し考えてから買う様にしたいと思います。

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