モバイルWi-FiルーターのSpeed Wi-Fi NEXT W03で楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」回線を使える様にしてみよう
元々は「楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」回線で無制限のモバイルWi-Fiルーターを作ってみよう」から始まった話です。
ちょっと古いモバイルルーターに手を入れると、楽天アンリミット回線で容量無制限のルーターが出来るって事から遊び始めてみたって所なんです。
見ていくと入手性や設定方法の手軽さからW04がよさそうだ、という結論に行き着いて実際にやってみました。
W04で上手くいったのですが、デザインが薄くていい感じのW03もイケるそうなのでやってみる事にしました。
※ただ足かけ半年近くもかかるとは思いもしなかった……
Speed Wi-Fi NEXT W03 について
まずはW03(正式名称:Speed Wi-Fi NEXT W03)について軽く説明したいと思います。
auまたはUQ mobileが発売していたモバイルWi-Fiルーターです。
特定のファームウェアバージョンなら「楽天UN-Limitの自社回線で運用できる」機種になります。
つまり楽天UN-Limitの無制限ルーターが作れるのですが、最新のファームウェアではSIMを入れても認識されないのでそのままでは使えません。
認識される特定のファームウェアバージョンにダウングレードする必要があり、そのダウングレードできるかどうかが最大の問題になります。
一応細かいスペックはこちらの公式サイトでご確認ください。
W03をダウングレードする方法
王道はクレードルを使う方法みたいですが、私はそれだとダメでどうしてもうまく行かず半年近く足踏みする結果となりました。
そのうち5chの「Speed Wi-Fi NEXT Wシリーズを楽天で使うスレ 2台目」でクレードルを使わないでもダウングレードできるツールの情報を見つけ、それを使ったら一発で成功に至る、という格好です。
一応ですがスレやツールのURLを開示する気も教える気も無いのでその点ご了承ください。
ある程度自力で調べられないなら止めた方がいいと思う為です。まずタイトルで検索すればスレはすぐ見つかるはずですし。
ちなみにツールを見つけた後、以下の手順でダウングレードする事ができました。
ちなみにUQ版の物を利用しています。また通信できるmicroUSBケーブル必須です。
- 事前準備としてW03の自動アップデートを停止する
- 事前準備としてW03に楽天のAPNとプロファイル設定をしておく
- 事前準備としてW03のプロファイルを楽天の物に変えておく
- 事前準備としてW03に楽天のSIMを入れておく(microSIMです)
- ツールをダウンロードする(ダウンローダーなので30分くらいかかる)
- ツールを展開する(RARなのでアーカイバーが必要)
- W03のリセットボタンを押しながら起動する
- 画面に「installing」と表示されたらPCにUSB接続する
- 展開したツールを実行する
- (20分くらいした感じですが)自動で起動し、ダウングレード完了
W03の自動アップデート停止や設定、SIM入れるのはダウンロードしながらでもいいかもしれません。
これらの手順が全部済んでいればau版だとダウングレード完了時点で接続が完了しています。
UQ版はどうだろ、私は先に設定イジってたので接続されたんですよね、何もしてないと「ダウングレード成功後にやる事」で書いてる固定化の儀式が必要なのかも。
APN設定について
APNの設定値は以下にしています。最新情報は楽天モバイルのAPN設定方法で確認してください。
APN名 | 楽天(rakuten.jp) |
APN | rakuten.jp |
MCC | 440 |
MNC | 11 |
APNタイプ | default,supl |
APNプロトコル | IPv4/IPv6 |
APNローミングプロトコル | IPv4/IPv6 |
PDPタイプ | IPv4/IPv6 |
また「※機種によっては上記APN情報にてテザリングがご利用になれない可能性があります。その場合は、APNタイプに「dun」を追加お願いします。」との事。
W03の設定値は以下にしました。
- プロファイル名:好きな名前(rakutenにしています)
- APN:rakuten.jp
- ID:なし
- PASS:なし
- 認証タイプ:CHAP
- IPタイプ:IPv4&IPv6。
ダウングレード成功後にやる事
au版ならダウングレードが成功するとBand3(楽天UN-Limitの回線)かBand18(auのパートナー回線)が使えるのでネットワークが繋がった状態になります。
これで楽天モバイルのネットワークを使ったモバイルWi-Fiルーターが完成したわけですが、パートナー回線だと上限5GBまで。上限がないのは楽天UN-Limitの回線の場合なので、楽天UN-Limit回線にのみ接続する様に設定を変えてやる必要も出てくるかと思います。
接続先を固定するには「HW EntityList」というアプリが必要です。
ちなみにこのアプリはAndroid限定。Android端末を持っていない人はAndoroid端末を手に入れる必要があります。
ちなみに端末はSIMフリー機のAQUOS sense lite SH-M05をオススメします。古い事もあり結構安価に手に入る事と、楽天UN-Limitに対応していてSIMを刺せばそのまま使う事ができますので。
バッテリーを気にしないなら、さらに古いAndroid4系でもいい気はします。十分使えるSnapDragon800とかでもかなり安いですし。
ちょっとした作業をやらせたり、Webカメラ化したりとか、メインで使っている本体を謎なアプリで汚したくない時とか。それに後述するアプリの様にAndroid限定のアプリとかもありますし。
そういった事を考えると安いAndroid端末がサブで1台あると色々と便利ですよ。
HW EntityListについて
Androidスマホで「HW EntityList」アプリをネット検索してインストールします。
ただこの「HW EntitiyList」を使うには「DeplpyGate」というアプリも入れる必要もあります。このDeplpyGateのインストール時にはセキュリティを甘くする必要がありますのでご注意ください。
またこの辺のインストールとかはそれだけでもかなりの文章量になるので深く触れません。
ざっくりな設定ですが、アプリを開いて右上メニューの設定からadminパスワードにIMEIの下5桁(初期設定値)を入力して戻る。
GETを押して設定されているBandを取得後、
- 楽天UN-LimitだけならBand3
- パートナー回線も使いたいならBand3とBand18
にチェックを入れてSETを押す。
コレでイケるはずです。
もしエラーになる場合は生きているSIMか、auの壊れていないSIM(契約終了している物でも可)を刺して試してみてください。SIMが入っていないのでエラーを返すことがありました。
W04と比べてみる
楽天UN-Limitでの運用はW04でも可能です。W03の後継機ですね。
こちらも最新ファームウェアでは対応しないのでダウングレードする必要があります。
ダウングレードしやすいのはW04だけど
情報が入手しやすい分、ダウングレードしやすいのはW04です。
W03のダウングレードについては口述しますが結果として難易度は変わりません。ただ情報の集め方や必要なツールの手配などで若干ハードルが高かった印象があります。
そうして作ったW04の無制限ルーターを使っていましたが、スペックとか操作性は特に問題は感じませんでした。ですがどうにもこうにも本体サイズだけが気にいらなくて。
外寸が幅130x高さ53x厚み14.2mmの140gあります。iPhone12の厚みが7.2mmですから、スマホ2台分の厚みと同じくらいの重さがあるわけです。
これがズボンとか鞄とかの、ポケットと名のつくところに入れておくと細身かつ厚ぼったいボディのせいで微妙に邪魔なんですよ。
サイズで苛ついていた所にうすっぺたくて軽いW03を買ってみたらサイズ感的にはベストマッチ。結果、W03をどうにかしてダウングレードする事になりました。
ちなみにサイズ感以外にも当然スペックも比較検討しましたが、
- バッテリー容量はW03の方が多い
- 私の環境だとUSB端子はUSB Type-CよりmicroUSBの方が使いやすい
- 最大通信速度はW04の方が早いがBand3のみだし下りの速度は意識する必要が無い
※どうせ1バンドだし、速度も特に不要で20Mbpsも出れば十分ですし。
ただし上りはW03は25Mbps、W04は37.5Mbpsと一考の余地はあるかも。
と言う感じでW04を積極的に選ぶ理由も特になく、W03を使う事にしています。
おわりに
1年間無料という事で契約しましたが、結局全く使っていない回線になりました。
少しでも使おうとこうやって色々と遊んでみましたが、やっぱり使いません。
でも新たに月の通信量1GB未満なら無料になりますし、自宅の固定回線に障害が起きた時用にサブ回線として持ち続けようと思います。
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