フィルムスキャンできるスキャナーが欲しいので現行機種と中古機種を比較・検討してみる その3 キヤノンの場合
スキャナーを探してWebの海をさまよう今日この頃です。前回はエプソンの機種で比較・検討し候補をあげてみました。
3機種ほど候補として出せたので、今度はキヤノンで候補を出してみたいと思います。
結論だけでよい方は目次の「候補のスキャナーはコレ」まで飛んじゃってください。
スキャナーを選ぶ最低限の条件
前々回の記事で考えた内容ですが、改めてまとめるとこうなります。
- CCD搭載フラットベッド型スキャナー
- 35mmネガフィルムとスライドがスキャンできる
- ストリップから6コマ以上まとめてスキャンできる
- 自動補正機能あり
- エプソンかキヤノン限定
欲を言えば細かくありますが、まずは最低限の条件で候補を挙げることにしました。
キヤノンの検討対象選定基準
複合機や薄型安価のスキャナーは読み取る部分にCIS(コンタクトイメージセンサー)というセンサーが使われています。CISはネガフィルムのスキャンが出来ないので選択肢になりません。
なので対象となる機種は読み取る部分にCCDを使っているものになります。
余談ですがこのCIS自体はキヤノンのスキャナーが嚆矢でしたが、いつの間にか主流になりましたね。
そしてキヤノンの場合、自動補正機能は「FARE(フェアー)」と呼ばれています。
「FARE」 はネガフィルム上のゴミやキズを自動的に検出・除去と逆光、褪色、粒状感低減の補正を行ってくれる機能です。レベルがあり、数字が高くなると効果も高くなります。
ちなみにエプソンの「Digital ICE」は ゴミやキズを自動的に検出・除去だけですが、ドライバーに逆光、褪色、粒状感低減の補正機能があるので実質的な差は無いと言えます。
キヤノンの現行機でCCD搭載モデルはCanoScan9000F MarkIIのみです。しかも在庫僅少。そろそろ次のモデルがでるのか、昨今の状況からシリーズ打ち切りかのどちらかでしょう。
なので中古も選択肢に入れるしかありません。現行機も安心して選べないなんてエプソンよりもひどい状況です。
キヤノンも中古を考えるに当たり、修理対応期限内のもので考えたいと思います。
キヤノンの候補スキャナー一覧
表の項目は機種名、光学解像度、スキャン出来るコマ数、分かれば速度、FAREの有無とレベル、発売年、修理期限と製品ページとしました。エプソンと違い、1コマあたりのスキャン速度が明記されていなかったのですべて「不明」としています。
また対象機種は標準構成でフィルムスキャン可能な2001年頃まで機種としました。オプションでスキャン可能な機種もありますが古すぎる機種でしたので除外しています。
と言う事でまとめた結果がこちらです。
機種名 | 光学解像度 | 35mmストリップ | 35mmマウント | 1コマあたり読取速度 | FARE | 発売年度 | 修理期限 | 製品情報URL |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CanoScan 9000F Mark II | 4,800dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2013 | 不明 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 9950F/9950FV | 4,800dpi | 5列30コマ | 12コマ | 不明 | Level3 | 2004 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 8400F/8400FV | 3,200dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2004 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 9900F | 3,200dpi | 4列24コマ | 8コマ | 不明 | Level2 | 2003 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 3000F | 1,200dpi | 1コマ | 不可 | 不明 | なし | 2003 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 9000F | 4,800dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2010 | 2017/9/30 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 8800F | 4,800dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2007 | 2015/4/30 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 8600F | 4,800dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2006 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 8200F | 2,400dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level2 | 2003 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 8000F | 2,400dpi | 2列12コマ | 4コマ | 不明 | Level1 | 2002 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 5600F | 4,800dpi | 1列6コマ | 4コマ | 不明 | 不明 | 2008 | 2019/3/31 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 5400F | 2,400dpi | 1列6コマ | 4コマ | 不明 | Level3 | 2005 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 5200F | 2,400dpi | 1列6コマ | 4コマ | 不明 | Level2 | 2004 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 5000F | 2,400dpi | 3コマ | 2コマ | 不明 | Level1 | 2002 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan 4400F | 4,800dpi | 1列6コマ | 4コマ | 不明 | なし | 2006 | 2013/11/30 | メーカー製品ページへ |
CanoScan D1250U2F | 1,200dpi | 1コマ | 1コマ | 不明 | なし | 2001 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
CanoScan D2400UF | 2,400dpi | 1コマ | 1コマ | 不明 | あり | 2001 | 受付終了 | メーカー製品ページへ |
表の内容についての補足です。
CanoScan 9950Fと9950FV、CanoScan 8400Fと8400FVはハードウェア的に違いがありません。付属ソフトウェアが変わったので機種名も変更されています。
CanoScan 3000F、CanoScan D1250U2F、CanoScan D2400UFは6枚ストリップをセットできますが、スキャン出来るのは1コマだけです。手動で1コマを動かすというすごい手間をかける事になります。なので「スキャン出来ますよ」レベルです。
CanoScan 5000Fも6枚ストリップをセットできますが、スキャンは3コマまでです。
エプソン同様、スペック一覧を「選べねーじゃん」と思いつつ作ってました。
調べると修理対応期限が終わってるモデルばかりですし、現行モデルも終わりかけです。こうなるとどれを選べば良いのか分からなくなってきます。
候補のスキャナーはコレ
改めて表を元に、以下の項目も考慮しつつ候補機種を考えてみました。
- 発売年度が新しくFARE Level3がついている事
- 解像度が一番高い機種(最大解像度からドライバで落とせても上げられません)
- 取込コマ数が多い(ネガ交換はかなり手間がかかって大変です)
- 購入価格と性能(いわゆるコスパ)
キヤノンは機種により癖がかなり違っており、特にピントは上位機種でも狂っている事があるので即断ができません。候補を出してからしっかりレビュー等を見ていく予定です。
この条件である程度絞って考慮した所、候補は3機種となりました。
選定過程(2019/8/13追記)
あまりに選定までの過程が不明瞭なのでもう少し細かく書きます。
まず光学解像度でふるいにかけました。解像度は画質に直結する部分なので基本的に選定時に光学解像度の最上位を選ぶべき物です。するとキヤノンは最高4,800dpiなのでそれ以下の機種は対象外となります。
補正解像度でもっと上の数値も出てますが、補正は画質が落ちるので考慮しません。
この時点で候補はCanoScan 9000F Mark II、CanoScan 9000F、CanoScan 9950F/9950FV、CanoScan 8800F、CanoScan 8600F、CanoScan 5600F、CanoScan 4400Fとなります。
FARE Level3がない事、同時に読めるフィルムストリップ数が1列のCanoScan 5600FとCanoScan 4400Fが候補から落ちます。
そして「ピントがあわない」と言うレビューと参考画像よりを見たのでCanoScan 9000Fが候補から落ちます。一応改善策はある様ですが、構造的な問題の様なので避けたいです。
ちなみにCanoScan 9000F Mark IIもピンボケしますがCanoScan 9000Fより改善されており、さらなる改善策も容易に対処可能な様です。
次にCanoScan 8600Fが候補から落ちます。 性能的な違いはCanoScan 8800Fと大差ないのですが古いからか売ってないんですよね。出てくれば安いんですけど。
ちなみにエプソンで気にした光源の 「白色冷陰極蛍光ランプ」ですがCanoScan 8600FとCanoScan 9950F/9950FVが該当します。どちらも安いから壊れても泣かない金額なのでまぁいいです。
CanoScan 9000F Mark IIとCanoScan 8800Fは光源がLEDなので急にランプが切れる心配はありません。
その結果、以下の機種が購入候補となりました。
第一候補:CanoScan 9950F/9950FV(中古、大体5,000円くらい)
年式の古さはネックですが、セットできるストリップ数と価格、性能的な所で選びました。絶対数は少ないですが定期的に売りに出されている事も理由の一つです。
またサンプルをよく見るとピンボケしてますが、キヤノンだからよしとします。
第二候補:CanoScan 8800F(中古、大体4,000円位)
中古品もそれなりにあるし、価格と消去法から残ったこの機種が第二候補です。もう少しネガストリップの同時取り込みコマ数が多ければベストだったんですが。
第三候補:CanoScan 9000F Mark II(新品購入可、2019/8/6時点で約26,000円位)
「ピントがあわない」と言うレビューと参考画像を見ましたが改善可能っぽい事と、現行機な事、後継機出れば値崩れしそうな事からのチョイスです。
次でエプソンとキヤノンの候補から絞る
次はエプソン、キヤノンの候補に挙げた機種の評価等を調べてみたいと思います。
「フィルムスキャンできるスキャナーが欲しいので現行機種と中古機種を比較・検討してみる その4 候補機を深掘りしてたら買っちゃった」で候補機種について深掘りしてみました。